元気あげます!
「そっかぁ・・・王子様じゃなくて、ダサい千裕先生がひかるちゃんのタイプなんだぁ。
うーーん、わかるかもぉ。
完璧!ってされるとひいちゃうけど、ダサくて子どもで困ったちゃんほど、ほっとけないもんね。
母性本能をくすぐられるわけだ。」
「もぉーーーー!幸恵さんったらぁぁーー!」
「きゃぁ~~~あはは。」
翌日、登校したひかるは千裕の姿を捜したが校内のどこにもいませんでした。
((明日っていったのに・・・))
とりあえず、メールでどうしたのか質問を送ってみると、
『すまない。経理上のトラブルがあって学校には出られなくなってしまった。
あと2~3日はかかりそう。怒ってるのか?』
と返信がきたので、ひかるは
『怒ってないです。会社が大変なら仕方ないですもん。
千裕様こそ、きちんとご飯食べてくださいね。』
と送るのでした。
少しがっかりした表情で廊下を歩いていると、松田祐希がひかるに気づいて走り寄ってきました。
「水口さん、どうしたんですか?声かけてもきこえてないみたいだったから・・・。
何かあったんですか?」
「え、ううん、べつに何でもないよ。ちょっと疲れてるのかなぁ・・・。」
「お昼休み、庭でまたランチしませんか?お疲れなら肩揉んであげますよ。
僕、けっこううまいと思います。うちのじいちゃんがよく将棋仲間を連れてくるんですけど、よくマッサージさせられてます。」
「へぇ。松田くんってそういう特技あったんだ。
もっと早く知っていれば、この前のプレゼンの後やってもらったのになぁ・・・。」
「ぷれぜん?」
「私が夕方からやってる仕事の時間外勤務ね。
土曜日も大きな会議の仕事があってね、会議場で先輩のプレゼンテーションのお手伝い。
ほんとにたくさんの人がいて、緊張して疲れたんだから。」
「それはすごいですね。僕憧れちゃいます。そういう場でみんなに注目されて仕事するって。」
「あ・・・私は雑用中心のサポートだったんだけどね・・・。
それでも、もう手が震えちゃって、緊張した。・・・じゃ、お昼にまたね。」
「はい」