元気あげます!
ひかるはしばらくぶりにメイド服で働きました。
幸恵もメイド服で手伝いがしたいと言い出して、ダイニングはとてもにぎやかです。
「ああいう格好してるのを見るのも、なかなかいいね。」
「兄さん、いやらしい目で見てると、あとが怖いんじゃないの。」
「まぁ、僕たちは決心して、もどってきたんだから、大丈夫。
幸恵は普通の家庭のコだけど、公務員生活してた僕にはちょうどいい人だって父さんたちは説き伏せてみせるよ。
それより、おまえたちはどうするんだ?
裕文の動きもやばいみたいだし、おまえがいうように、会社から手をひいて家を出るというのは父さんは許さないと思う。」
「俺は能力だけをかわれて、ここに来た身なんだから、どこまで息子として信頼されているかなんてわからないさ。
俺がここまで来た道のりを振り返れば、ひかるだって三崎になくてはならない人になれると思うんだ。
学校を卒業させたら、あいつの考えもききながら、高度な勉強や仕事をさせてやりたいと思っている。
けど・・・もし、俺の想像をはるかに超えてしまったら・・・」
「おまえが捨てられるかもしれんな。」
「に、兄さん・・・・!」
晩餐は楽しくすすみ、ひかるは裕樹にお礼をいいました。
「あのとき、裕樹様が上着をかけてくれなかったら・・・引きとめてくれなかったら・・・私もう、ここに来る資格を完全に失っていました。
今だってほんとは、ここにいる資格ないのに・・・。」
「どうしてそう思うの?また家出を考えているのかな?」
「もう黙って家出はしません。・・・でも、私は幸恵さんとは違うし、家族がどこにいったかもわからない得体のしれない人物なんです。
千裕様に学ばせてもらって行きつくところだって、わかっています。
おうちを捨ててなんて話は千裕様は絶対できない人だし、私もそれは望みません。
それで・・・お願いなんですけど、高校を卒業したら、すぐに私を外国へ行かせてもらえないでしょうか?」
「千裕に頼めばいいことなんじゃ・・・。!?
もしかして、もう帰って来ないつもり・・・とか。
そんなことしても意味ないと思うよ。」