恋愛至上主義
教室の内はすでに登校していた
生徒たちでざわついていた。

「席についてー。」

藤堂先生は前のドアから入り、
私は後ろのドアから入った。
後ろの席の何人かの生徒たちに
気づかれ、注目を浴びた。

「桐谷先生、今日は授業しないの?」

窓側の席に座っていた女子生徒に声
をかけられた。

「今日は、まだ授業見学だけだから、
先生の授業になったらよろしくね。」

「はーい。」

窓側の女子生徒は元気よく答えると
藤堂先生の方を向き直った。
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