恋愛至上主義
そして、彼は何も言わない私を
抱きしめた。
私の心臓はこれ以上ドキドキ
してしまったら、口から出て
しまうくらいの勢いでドキドキ
し始めた。
彼に抱きしめられた瞬間に香水に
混じって、タバコの匂いがした。

「ちょと、何してるの!
離れてよ」

私は彼を引き剥がそうと三ノ宮くん
との間に隙間を作った。

「何って、抱きしめてんの。
ほら、涙止まったでしょ?」

そう微笑む彼のは小悪魔にしか見えなかった。

「もう、大丈夫だから、離れて。
それに、タバコは体によくないわよ。」

私は立ち上がり、三ノ宮くんと距離をとった。
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