恋愛至上主義
「図星か…」

三ノ宮くんがため息まじりに呟いた。

「俺、冗談のつもりだったんだけどな。」

「別に、そんなんじゃないから。」

私は、心を読まれた気がして強く言葉を
発した。
二人の間に気まずい雰囲気が流れる。

「さあ、もう暗くなるわ。
三ノ宮くん、帰りなさい。」

私は気まずい雰囲気を断ち切るように
彼に帰宅を促した。

「そうだね。じゃあ、希ちゃん帰ろうか。」

三ノ宮くんは今までのやりとりが無かったかのように
笑顔を向けてきた。

「なんてまぬけな顔してんの?
毎朝、同じ電車使ってんだからそりゃ、覚えるよ。
同じ方向でしょ?帰ろう」

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