恋愛短編小説集
そんな…せっかくきたのに
今夜、父は出張で帰りが遅い
妹は塾だから帰りは6時すぎだし
母は同級会で帰ってこない
だから唯一鍵を持っている私だけが
今家へ入れることのできる
ただ一人の人間なのだ
まぁ、私が先に家にいれば問題ないんだけど
新田さんがなぜだか鞄をもって近づいてきた
「妹ちゃん、一緒に帰ろうや!あいつまだ時間かかるでぇ」
笑みを浮かべて頭をポンポンされた
お兄ちゃん同様
新田さんも私を妹のように可愛がってくれる