恋愛短編小説集
「徹のことが…好きだからだろ?」
ドクンッ
心臓が一瞬跳ねた
鼓動が早くなり高鳴る
「…うん。な、なんでわかったの…?」
体が熱くなるのを感じる
思わず口に手をあてた
そんな私をみて
彼は切なそうな瞳で私を見つめ
元が奈央に一歩一歩近づく
「お前のことなら何でも知ってる…」
彼の細くたくましい手が私の頬をなぞり
「お前の心がどんなに弱いかも…」
彼の凍るような冷たい手が
私の心に炎を燃やす