ルージュの森の魔女
「――で、これからどうするよ?たいちょー」
ジンの言葉にレオドールは考えるように顎に長い指をかけた。
「肝心の手掛かりは殺されてしまったからな。…それにダークライトについても――」
そこで言葉を切りレオドールはアリーナを見つめた。彼女は何やら思案げな顔をして俯いていたがふと顔を上げると翡翠色の瞳を見つめ返す。
「そういえば聞き忘れたけど、貴方たちはダークライトを見つけてどうするつもりだったの?」
突然切り出された質問にレオドールは一瞬言葉に詰まったが、翡翠色の瞳に意志のこもった強い光を灯し答えた。
「もし、ダークライトが奴らの手に渡り、この世界にとって良くないことに使われるのであれば、俺たちはそれを全力で阻止するまでだ……」
「ダークライトを見つけたら、それを破壊する……」
曇りのない澄んだ瞳で言い切る彼に、アリーナは再度問い返す。
「…世界を支配する力が手にはいると言っても?」
「――ああ、それが真実なら尚更だ……」
決して意志を曲げない強い光にアリーナは決意したように瞳を閉じた。
「――わかった。私も貴方たちに協力するわ」
その言葉にクロードは思わず「アリーナ!!」と声をあげた。
レオドールたちもかなり驚いたようで目を見開いている。
「ダークライトがどこにあるか正確には解らないけど大体の場所だったら知ってるわ。それにあれを壊すことが出来るのは強い闇の魔力を持った者だけ……。私なしでは成し遂げられない」
そう言って悲痛に微笑む彼女に、レオドールは何故か心を強く鷲掴まれるような気分に落ちた。
しかし、それは心の奥にしまい優雅な動作で膝まづく。
「貴女が協力してくれるのであればこれ以上心強いことはない。心から礼を言う、ゼノクロス殿」
流れるようにアリーナの手の甲に接吻すると後の二人も騎士として最上級の礼をとった。