猫山Cafeの猫山さん
「本気だよ、俺。
頼が好きだ。」


義樹が私を見つめている。


「なにそれ?
意味わかんないから…」


逃れようとする私を離すまいと、義樹はより一層強く腕を握る。


「頼…」


「…痛い、痛いよ。
…離して、義樹…」


私が顔を反らすと、義樹が私を抱きしめた。


「本気なんだよ、頼。」


「…嫌、離して!」


私は義樹を突き放した。


「意味わかんないよ!
なんで今更!?
なんで今なのよ!!
好きなら…
どうしてあの時言ってくれなかったの!?」


私は義樹を睨みつけた。


「あの時は…俺も親の離婚とかでバタバタしてたし!
好きだったけど…言えなかった!」


義樹は寂しそうに俯いた。
< 103 / 130 >

この作品をシェア

pagetop