猫山Cafeの猫山さん
ふと気が付くと、外が暗くなり始めていた。


一時間以上、居座ってしまった。


「私そろそろ帰ります。
月子さん、起きて?」


私が体を揺らすと、月子さんはゆっくり目を開けた。


「おいくらですか?」


私は鞄から財布を取り出した。


「あっ、今日は結構ですよ?
楽しい時間でした。」


「でも…」


私は財布を握り締めながらオロオロ。


「また来て下さい。
それで充分です。」


猫山さんが優しく目を細めた。


「…じゃあ、ごちそうさまです。」


私は鞄を持って月子さんを抱き上げた。
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