猫山Cafeの猫山さん

私は一回だけ読み返すと、賢人の肩を叩いた。


「何？」


賢人が振り返ると、手紙を渡した。


「よっちゃんに渡して？」


私が小声で言うと、賢人はコクりと頷いて前を向いた。


賢人が義樹に手紙を渡した。


義樹はすぐに開いて読むと、一度だけ天井を見上げた。


そしてゆっくり振り返ると、優しく微笑んだ。


「ありがとう。」


聞こえるか聞こえないかぐらいの声だったが、確かに唇がそう動いた。


私が笑い返すと、義樹は前を向いた。


友達。


これからも長く付き合っていくハズだから。


だから、笑い合えて良かった。