猫山Cafeの猫山さん
「…ごめんなさい、私全然気づかなくて。
確かに昔の私は義樹が好きだった…
でも義人さんに感じるような、本気の好きじゃなかった。」


義人は俯きながら微笑んだ。


「私は…これからもずっと義人を愛してるから。
だから…」


そう言ったときに、不意に義人に抱きしめられた。


「僕もだよ?
だから大丈夫だって思えたんだ。
ありがとう…僕を選んでくれて。」


そう言うと、義人は私を見つめた。


そしてゆっくりと唇を重ね合った。


唇を離してからもしばらく抱き合った。


「頼、渡したい物があるんだ。」


私が不思議そうに首を傾げると、義人は照れ臭そうにポケットから小さな箱を取り出した。
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