猫山Cafeの猫山さん
「…わかるわけないじゃん?
誰なの??」


私が言うと、冴は得意気に笑った。


「なんと…
驚くよー!?
…神河義樹くんでした♪」


「…え?」


冴はすごく得意気だけど、私はそれどころじゃない。


ドキドキと自分の胸の音がうるさい。


「は?じゃなくて…
嘘、忘れたの!?」


忘れた?


忘れるわけがない。


忘れられるわけがない。


「…義樹…」


冴と賢人は顔を見合わせた。


「そうだよ♪
二年で転校しちゃった『よっちゃん』だよ!」


よっちゃん…


「よっちゃんってあのよっちゃんだよね…」


「だからそう言ってるじゃない?」
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