猫山Cafeの猫山さん
「お前らには言ってなかったんだけどさ…
家の親、三年前に離婚してるんだわ。」


商店街に向かって歩きながら、義樹が話しはじめた。


「へー…」


皆まちまちに相槌を打つ。


「中二の時に親父がアメリカに転勤になって…
俺は親父に、母さんの方には兄貴がついて行ったんだよ。」


「…お兄さんいたの?」


冴が言うと、義樹はコクりと頷いた。


「カッコイイよ♪
頭良くて、スポーツも出来て、優しくてさ…
親父再婚するんだ。」


義樹が空を見上げた。


「俺一人暮らしするから、って親父に言ってアメリカから戻って来たんだ。
で、こっちで世話してくれたのが兄貴♪
兄貴、この商店街で店やっててさ…」
< 92 / 130 >

この作品をシェア

pagetop