オルゴール 〜科学者と未確認生物〜
チリン…チリン…カラン…
私が中に入ると、レトロなドアについたベルが鳴った。
初めてくる店だ。
辺りを見回す。
ヨーロピアンなフインキ漂ういい感じの店。
パン屋なのだが、他にもケーキや、パイ、高級そうなチョコレートなどいっぱい飾ってあった。
珈琲とその他スイーツの香りが心地よく漂う。
オルゴールの音がさっきまで超音波でいかれてた耳を癒やした。
真ん中には巨大なピアノやヴァイオリンなどが置いてあって、その周りを薔薇の模様が細かく彫られた木材の机と椅子が囲んでいる。
どうやら喫茶店のようにここで食べることも可能なようだ。
私はこういうフインキが大好き。今日着ているドレスにもぴったりだ。
私は窓際の席へ座った。
私のよこにある小さな小窓から、さっきの花がパンを全部食べ終えるのが見えた。なんとも可愛い光景。
私は彼に名前を付けた。パニックって名前。
実際彼はパニックなんかしてないんだけどね。ちっとも。
パニックのことを考えてると、ケーキとかが飾ってあるところから頭が転がってきた。
私の所に。年老いた顔だ。
その顔は私の方をくるりと向き、優しそうな笑みを浮かべた。
『いらっしゃい。お姉さん、若いねえ。ご注文をどうぞ。ケーキとかもあるよ』
私は食べるものを決めてなかったから(知ってると思うけど花の事かんがえてた)、取り敢えず紅茶を頼むことにした。
『今は…、取り敢えず紅茶を…』
『はいよ!ちょっと待っててね。今入れてくるからさ』
そう言うとおばあちゃんは(一応おばあちゃんと呼ぶことにした)、店の裏側に転がった。きっと裏側には台所があるんだろう。暖炉とか。
それより、あのおばあちゃんが紅茶を入れるのかな?頭だけで?そんなまさか。