オルゴール 〜科学者と未確認生物〜
仕事場につくと、沢山の科学者達が僕に挨拶した。ちなみに僕はその中の2、3人くらいにしか挨拶を返してない。

僕の仕事場は大きなオレンジ色の建物の中に実験室や会議室がぎっしり詰まった頭のカチカチな科学者の集まるところ。
でも一人一人なんらかのロマンを描きながら実験を進めている。実際に頭が堅い人なんていないのだ。

僕達の実験室は一人一人個人で実験出来るように小部屋になっていて、僕の隣の部屋からは爆発音がよく聞こえる。
そう、ロマンはたまに爆発するんだ。物質的にね。

僕は自分の実験室へ入り、今までの宇宙での資料をコンピューターでまとめたり、写真を精密に検索したりした。
今までに習った難しい知識で難しい式を作り、難しい答えを少しずつ出した。それでも何も解らないし、何も変わらない。
やはり実際に宇宙へ行き、この目で確かめるしか無いのだろうか。っと考えてたその時、隣の実験室からロマンが爆発する音が聞こえた。可哀想に。計算を間違えたのか。


取り敢えず僕は助手に、資料を全部預かっておくよう命じた。

そして宇宙へ旅立つ準備をした。
西暦3000年の今、過酷な訓練を受けた者ならば好きなときに宇宙へ行くことが可能だ。ただし、スペースシャトルをレンタルする値段がハンパない。
僕は過酷な訓練を経験済みだがそんな大金は無い。
でも僕は科学進歩のため、調査しに行くんだ。遊びに行くんじゃない。お金は要らないだろ。自信はないが。
今度こそエイリアンをとっつかまえて、解剖して、謎を解き放とう。お金ならその時払えるさ。
図鑑も作れるかもしれない。レイの未確認生物図鑑ってやつ。
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