本当に愛おしい君の唇
第20章
     20
 治登と直美はベッド上でセックスの余韻を楽しみながら、寛いでいた。


 性交後に残るものはやはりある。


 男性にとっても、そして女性でもそういったことを感じるのだ。


 治登がトランクスを穿いて、上半身は厚手のバスローブを羽織ったままでいると、直美が、


「寒くないわよね?」


 と念を押すように訊いてくる。


「ああ」


「普段からお仕事お疲れ様」


「うん、ありがとう。今のところは女房と別れることを考えてるだけで、それ以上のことはまずないよ」


「じゃあ、あたしといるときぐらいはいつものこと忘れてね」


 直美がそう言い、腕を絡めてくる。

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