本当に愛おしい君の唇
第22章
     22
 注文してから二十分ぐらいが経ってだろうか、モーニングが二人分テーブルへと運ばれてきた。


 砂糖とミルクが入ったカフェオレに、カリカリに焼けたトーストが二枚、カットしたソーセージを混ぜて炒めたスクランブルエッグが一皿、それに野菜サラダが付いている。


 サラダには適度にドレッシングが掛かっていて、食べやすそうだ。


 治登が先に軽くカフェオレで喉を潤した後、スクランブルエッグに箸を付ける。


 直美はサラダを食べながら、


「このラウンジって二人で利用するの初めてよね?」


 と訊いてきた。


「ああ。……それがどうかしたの?」


「うん。まあ、一応治登さんが贔屓(ひいき)にしてるお店みたいだし」


「そうだね。俺もこのホテルに外泊するときは、ここ使ってるよ」


「そうなの?」

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