本当に愛おしい君の唇
 治登がそう問うと、直美が、


「うーん、どうだろ。……多分、連休明けには会えると思うわ」


 と言った。


「じゃあ、それまではメールか電話のどちらかだね」


「ええ。でも、気にしないでいいわよ。さすがに仕事中にケータイが鳴り出すと困っちゃうけど、終業時間が来たら、遠慮しないで掛けてきて」


「ああ。……もちろんメールでもいいだろ?」


「ええ。一応毎日連絡し合おうね」


 直美がそう言い、さすがに色鮮やかな食事に満足したらしく、


「ご馳走様」


 と重ねて言った。


 治登は完食して、椅子に凭れ込みながら、深呼吸を繰り返す。


 ゆっくりと朝の時間が流れていく。

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