本当に愛おしい君の唇
 自分なりに考えておきたいのだった。


 この会社の行く末と、それからは幾分離れるにしても、自分の人生のサイドストーリーである直美との生活を。


 互いに再婚になるが、いいのだった。


 再婚した者同士でやればいいのだし。


 治登はオフィスに着くと、クーラーが入れてあり、専務室内は冷えていた。


 ワイシャツの上に上着を羽織り、治登は改めて、春の終わりと本格的な夏の到来を覚えている。


 ゴールデンウイークが終わった後なので、次の大型連休は八月のお盆休みぐらいだ。


 治登はまた直美と会えるのを楽しみにしていた。


 彼女のメールアドレスにメールを打つことは欠かさずにしていて。


 そして五月の終わりの週末に、直美が会いたいとメールで言ってきた。


 治登はそのメールを見て、五月の最後の週末は予定を入れてないことに気付く。


 すぐにメールを打ち返した。
< 140 / 171 >

この作品をシェア

pagetop