本当に愛おしい君の唇
狂気に苛(さいな)まれた人間に、仏心などまるでない。
ただ、獲物を追う獣のように恐ろしいのだ。
そして治登は気を付けるつもりでいた。
古賀原は変な新興宗教に嵌まり、教祖にマインドコントロールされているのだから、何を仕出かすのか分からない。
身辺には十分注意し、下手に動かないつもりだった。
危険が迫っているのだし、せっかく有希と別れることが出来て、直美との新生活が始まるのだから……。
治登は直美の唇に自分のそれをそっと重ね合わせる。
本当に愛おしい気持ちが湧いて出てきた。
口唇(こうしん)同士が重なっていくたびに……。
ただ、獲物を追う獣のように恐ろしいのだ。
そして治登は気を付けるつもりでいた。
古賀原は変な新興宗教に嵌まり、教祖にマインドコントロールされているのだから、何を仕出かすのか分からない。
身辺には十分注意し、下手に動かないつもりだった。
危険が迫っているのだし、せっかく有希と別れることが出来て、直美との新生活が始まるのだから……。
治登は直美の唇に自分のそれをそっと重ね合わせる。
本当に愛おしい気持ちが湧いて出てきた。
口唇(こうしん)同士が重なっていくたびに……。