【短】この猫知りませんか?
貴方の心は警戒中




「まだ、君達は入学したばっかだから、学校のこと何も知らないだろう。何か分からないことがあったら、この高校11年目の俺に何でも聞くようにっ。」



「はいっっ!!!」



「おぉ笑 元気いいな。なんだ?えぇと・・・白江だっけな?」



「ここの学校て、屋上ありますよね?」



他のクラスメイト達が、ざわついた。
クスクス笑ってる子もいた。



でも、そんなの気にするわけない。




「・・・おお。あるぞ」



「行くのは自由ですか?」



「ああ。行くのは自由だが・・・」



「ホントですか?!そっかぁ・・・。分かりました、ありがとうございましたっ」



「おっ、おう。・・・良かったな。・・・あっ、白江、くれぐれも自殺なんかするなよぉ」




何故か、こんな一言でちらほら笑いが出る。



変なの、そんなのするわけない。



しかも、教師が生徒にむかってそんな言葉言っていいものなの?






昨日私、白江桃子は、この誰にでも入れるようなバカ公立高校に入学した。



正直、進路なんてどうでもいい。



どっかでアルバイトとかして、

地道に働いて、

そこで、性格のいい異性の人と出会って、

結婚して、

子供産んで、

平凡な毎日さえ過ごせれば。



何より、変なこと言うかもしれないけど毎日広くて、大きな空さえ見てれば、生きていける気がした。








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