【短】この猫知りませんか?
お茶を飲んだらさっきまでの少しの緊張がやわらいできた気がする。
「ふぅ・・・」
『ミャアーォ』
「ひゃっ・・!?」
机の下からヒョコッと顔を出したのは、中くらいの灰色の猫。
今度は正座をしていた私の膝の上に乗ってきた。
「・・・・」
「ふふっ、固まってるし。猫苦手?」
「・・いや、全然。むしろ好きなんですけどぉ、こんなに懐かれたの初めて」
「ソイツ、学校帰りに俺にずっと着いてきてたんだよ」
「野良猫ですか、名前とかは?」
「アメ」
「アメ?」
「そんとき雨降ってたの。俺が振り返ってソイツに気がついたときはもうびしょ濡れ状態。普通、猫って濡れんの嫌いなんだけど 笑」
「なるほど」
ペットは飼い主に似るとはこのことだろうか。
アメの顔は北島先輩にどこか似ているような・・・。