【短】この猫知りませんか?
「んで、いろいろあって1番の原因が、父親の死」
「・・お父さんが、」
「自殺で死んでったんだと。・・・っと、どいつもこいつも・・」
北島先輩の右手が机の上の煙草へと伸びた。
「父親だけだったんだよ、アイツの味方は。でもよりによって精神的に病んでるときに会社でやっちまって。んで、飛び降りた。」
「・・それを晴美さんも追いかけたんですね?」
「うん。相当、大好きだったんだな。俺と話すときも父親の話結構してたよ」
「・・・・です・・」
「・・はぃ・・・?」
北島先輩は煙草の煙を吐いて、ポカンとして私を見た。
「・・・バカです。晴美さんもそのお父さんも」