【短】この猫知りませんか?




「・・・バカ?」



「だってそうじゃないですか」



「・・何人事みたいなこと言ってんの?たしかに自殺することは最悪だと思うけど、」



「結局、二人は自分から逃げただけ。さっき北島先輩、晴美さんは『自分』を持ってるって言ったけど、ただの見せかけ。・・・いじめられてるなら、無理に学校に行く必要なんてないっ。そんな悪口ばかり言われるなら・・・北島先輩に助けを求めれば良かったっっ!!」



「だからっ!んなことできるようなヤツじゃねぇんだよっ!!!」




北島先輩の大声が聞こえたと共に、首元が苦しくなった。




思わず、つぶった目を開けると今にも泣き出しそうな北島先輩の顔がすぐ近くにあった





手は私の制服の襟を掴んでいる状態だ。




私は怖いとかビビっているとかそんなんじゃなくて、同情とかでもなくて、ただただ悲しくなった。






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