アグリーベティに恋をして
「…はい。」
悔しいけど、あたしはコイツに逆らえない。
何時ものように昨日の夜一生懸命解いた問題の書かれたノートを渡す。
「サンキュ☆おーい、アグリーのノート見るやつ~!」
あたしのノートをさっと取ると、アイツはそう叫びながらクラスの男子達とノート写しにはげむ。
何時も変わらない朝。
何も変わらない…
「恋華ちゃんってば、ダメだよー。また西澤クンにいいように使われちゃって!」
この教室で唯一あたしをあのあだ名で呼ばない亜衣ちゃんが何時ものセリフをはく。
「ごめん、亜衣ちゃん。」
変わらない日常。
変わったのは、あたしのあだ名。
ただそれだけ。