【K.A】Alice in a BoX
プロローグ
「ありす、ちょっと大変なことになったんだ」

いつになく真剣な表情で話しかけてくる父親。

「今度はなに」

小さくため息をつきながら私は答える。

「どうもお前の食事に誤って開発中の試薬が混入してしまっていたようなんだ」

「はっ!?」

「だからな?少しの間、眠ることになると思うが…」

一瞬、父親の声が途切れた気がした。
目がくらみ、視界が霞む。

「大丈夫…あり…」

遠のいていく声。

私の脳が、活動を停止する。


深くて静かな。


真っ白な世界が私を包んだ。


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