【K.A】Alice in a BoX
「どちら様ですか」

声をかけられ、振り返る。

「………」

眼鏡をかけた若い男性の姿。ピシッと着こなされたバトラー服に、乙女ならばきっと、ときめいていたところだろう。


…頭の上で動く、ぴこぴこアニマルイヤーさえなければ。


「おや…?もしかして、あなた、アリスでは?」

目の前のアニマル耳の言葉に、思わず眉がピクリと動いた。

「そうですか、とうとう目覚められたのですね」

ニッコリと笑うその男の表情に、思わず鼓動が早くなる。

「申し遅れました。私の名前はシャルト・リュー。リューとお呼びください」

リューはそう言うと、アリスの前に跪き、手をそっととると、優しく甲に口付けた。


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