【K.A】Alice in a BoX
「ねぇ、リュー。ここは一体…」

辺りを見回しながら聞いてみると、リューはあぁ、と頷き答えた。

「ここは、ハートの女王の敷地です」

「は?」

リューの言葉の意味がよく分からず、思わず怪訝そうな顔をする。

「あそこに城がみえるでしょう?」

リューの指さす先を見てみると、真っ白で大きなお城が建っていた。

「あ、この建物…」

丘の上から小さく見えていた建物。
だけど、実際に近づいてみてみると、とても立派でおおきかった。

「私はここで、執事長をさせていただいております」

「あぁ…そうよね。その格好」

じっと上から順にリューの姿を見てみる。
ピシッと着こなされた黒いバトラー服に身を包んだリューの姿は、誰がみても執事そのものだった。

「女王様かぁ…どんな人だろ」

少しだけうっとりした表情で呟くと、リューが一瞬だけ、顔を引きつらせた。

「いえ、あまり期待などはされない方がよろしいかと」

「え?」

「とにかく、よろしければご案内いたしますよ?ありす」

言われてうーんとありすは唸った。

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