【K.A】Alice in a BoX
「…せっかくだけど、遠慮しとく」

そう告げると、リューはかなり残念そうな顔をした。

「その、私、ここのこと、なんにも知らないから。他も見てまわりたいなって」

なんとなく申し訳ない気がして、ありすは言い訳をする。

「…また、会えますか?」

じっと見つめるリューの瞳に、ありすの鼓動は、大きく早くなる。

「うん、それはもち!?」

言い切らないうちに、ガバッとリューがありすを抱き締めてきた。

びっくりして硬直するありす。

「りっ…リュー!?」

「約束ですよ?ありす」

リューはそう言って、ちゅっと軽く、ありすの耳たぶにキスをした。

「なっ!?」

驚いて体を仰け反るありすに、リューはいたずらっぽく笑った。

「愛しのありす。また、お会いしましょう」

そう告げると、リューはお城へと去っていった。


「…やっぱ…へんなヤツだった!」

頬を赤く染めながら、ありすは自転車に乗って、移動を開始した。


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