【K.A】Alice in a BoX
「君は、私の名前を知らない」

「え?いや、知って」

「お茶に招待されたというのに、相手の名前を知らないというのは、いささか失礼だろう?」

「………」

見た目は誰よりも普通なに、こいつが一番、頭がおかしいと思い、ありすは溜め息混じりに答えた。

「私の名前はありす。お茶にご招待いただいて、とても嬉しいわ、ありがとう。ところであなたの名前はなんていうの?」

最後の方になると、なかば棒読み状態になりながら、ありすが聞いた。

すると、マッドは満足げに頷いて答えた。

「私の名前はマッド。帽子屋のマッドだ」

「よろしく、マッド」

ありすが顔をひきつらせながら答えると、マッドは嬉しそうに紅茶をすすった。

「さて、ありす。君はもう誰と結婚するのか決めたのかな?」


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