【K.A】Alice in a BoX
「私、帰ります!お茶、ゴチソウサマ!」

ありすはガタガタっとその場から立ち上がると、駆け足で走り去っていった。


魔法ってなに!?
何がどーなっちゃってんのよ!!


パニック状態でひたすらに森の中を走っていく。

「そんなに慌てて、どこに行くんだい?」

不意に声が聞こえてきた。思わず走るのを止めて辺りを見回す。

「ふふっこっちだよ」

声は確かに聞こえるのだが、声の主の姿が見えない。

「ここだよ、ありす」

不意に足元で声が聞こえた。視線を落とすと、そこには小さなネズミが1匹。

「ねっ…ネズミ?」

驚いて声をあげると、ネズミはチョロチョロとありすの体をよじ登り、肩の所で憤慨して言った。

「失礼だな。僕はチェシャ。猫のチェシャだ」

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