【K.A】Alice in a BoX
………?


ぎゅっとつむった目をそっと開けてみる。そこには整った顔立ちをした、美青年が、心配そうな表情で、自分の顔をのぞきこんでいた。

「み……み………?」

声を必死で絞り出すと、ぱぁっと目を輝かせて、青年は自分を抱き締めてきた。


なっ!?何々!?


必死でもがく。が、芋虫がモソモソと動くくらいにしか動けず、焼け石に水のような感じに、疲れきって、ぐったりと抵抗をやめた。

「アリス!目が覚めたんですね!?」

嬉しそうに、少し目尻に涙をためながら話しかける青年に、口をパクパクと動かしながら、喋りかけようとする。

「ここ……ど……」

少しずつ声が出てくるようになるのがわかった。

青年は、頭から生えているウサギ耳をピコピコと動かしながら、ありすをじっと見つめていた。

「あぁ、こんなところに座らせたままにしておくなんて。僕としたことが」

そう言うと、ひょいっとありすを抱き上げる。

「ぎゃっ」

声を発した瞬間、自分でもびっくりするぐらいに可愛くない叫び声に、思わず赤面する。

青年は気にした様子もなく、側に置いてあったソファにありすを座らせた。

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