【K.A】Alice in a BoX
突然の出来事に、目を丸くして呆然としているありすをよそに、チェシャは海に向かって大声で叫んでいた。

「おーい、グリフー!」

しばらくして、はっと我に返るありす。
と、突然後ろから何かがありすにすり寄ってきた。

「うゃぁ!」

「グリフ!そこにいたのか」

チェシャの言葉に、ゆっくり振り返ってみる。そこには見たこともない動物らしきものがいた。

上半分は猛禽類っぽく、下半分はライオンのような感じのする生き物。

「ありす、こいつはグリ…」
「可愛い!」

ありすは叫ぶと、グリフにぎゅっと抱きついた。

「わぁ…やっぱり!ふかふかだぁ」

スリスリとグリフの体を擦ると、今度はグリフがありすの方へと頭をすり寄せてきた。

「やっぱり、ほんとだったんだなぁ…」

感心したように呟くチェシャに、ありすは首をかしげた。

< 43 / 88 >

この作品をシェア

pagetop