【K.A】Alice in a BoX
この日は1日、チェシャとグリフの3人で遊び倒した。
グリフの背中に乗せてもらって空を散歩してまわったり、水遊びをしたり。

「あーっ!楽しいっ!」

砂浜にごろんと横になると、チェシャとグリフが両脇に腰をおろした。

「私が生きてた…というか、眠る前に生きてた時代と、全然ちがってて楽しいなぁ」

父の顔がふとよぎる。


あの親父には振り回されっぱなしだったけどね。


クスッと小さく笑うと、チェシャはどうかしたのか?と声をかけてきた。

「ちょっと…お父さんのこと思い出しただけだよ」

ありすがいうと、チェシャは目を輝かせながら聞いてきた。

「お父さんってなんだ?」

「え?」

聞かれたことの意味がわからず、思わず聞き返すと、チェシャは同じ言葉を繰り返した。

「お父さん…えっと、両親、男の親…えー…」

いろいろ口にしてみるが、チェシャはきょとんとした顔で、ありすを見つめていた。意味が伝わっていないのはそれだけで十分理解できたのだが、なんて説明するのが一番分かりやすいかがわからなかった。


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