【K.A】Alice in a BoX
「って、チェシャにもお父さんとかお母さん、いるでしょ?」

聞かれてチェシャはキョトンとして首を傾げる。
そして、ふと、何か思いついたように頷いた。

「そうか。ありすは俺達とは違うからな」

チェシャの言葉に、チクッと胸が痛んだ気がした。

「俺達は、気が付いたらこの世界にいた。もしかしたら、誰かが俺達を創ったのかも知れないけど、誰もそれが誰なのかは知らない」

痛みより、チェシャの言葉に驚き、ありすは目を丸くした。

「えぇ?だって、じゃぁ…チェシャ、家族はいないの?」

ありすは言ってすぐにしまったと俯いた。


どうしよう、なんかものすごい無神経な事聞いちゃった!?


「家族ならそこにいるぜ?」

予想外のチェシャの言葉に、ありすはがばっと顔を上げた。
チェシャの指す先にいるのは、ありすの隣を陣取っているグリフがいた。

「俺はずっと、この場所でグリフと一緒に住んでる。だから、家族はコイツだな」

そう笑って答えるチェシャをみて、ありすは少しほっとしたような、なんだか複雑な感覚になった。


本当に、私の生きてた時代とは何もかもが違うんだ…
一体、何があったんだろ。


不意にチェシャを抱き上げる。
驚くチェシャに構わず、そのままぎゅっと抱きしめながら、ありすはグリフにもたれかかった。


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