【K.A】Alice in a BoX
翌朝、いつもとは違う雰囲気があった。

「ラビー?」

毎朝、必ずありすを起こしにくるはずのラビーの姿がどこにもなかった。

「どこ行ったんだろ…」

ぽりぽりと頬をかきながら、リビングに置いてある椅子に腰かける。
と同時に、机の上に1枚の紙切れが置いてあるのを見つけた。

「なんだろ?」

気になって手にとってそれを見る。と、真っ白だった紙に白兎の絵が浮かび上がってきた。

『少しの間出掛けてきます。ありすは残り2日、絶対に家を出ないでください。約束ですよ』

絵が動きながら、ラビーの声でそう喋り終わると、ぽんっと朝食に早変わりした。

「なんなの、一体…」

訳がわからず困惑する。
ふと、窓の外にチェシャがいるのを見つけて、ありすは窓を開けた。

「あ、ありす。おはよう」

少しだけ上ずった感じの声を出すチェシャに、ありすは首を傾げた。

「おはよう、チェシャ。どうかしたの?」

問いかけると、チェシャは何もない、と首を横にふった。

「??」

チェシャの様子がおかしい気がして、ありすは家の外に出ようとした。


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