【K.A】Alice in a BoX
「ラビー…なんで?」

ありすが恐る恐る近づいていくと、しゅるしゅるっと音を立ててバラの茎がありすを近づけまいと、とげをむき出しにして襲い掛かってきた。

「きゃぁ!」

腕や足に刺さったとげの痛みに、思わずありすは動きを止めた。

「ねぇ、これは一体、どう言う事なの?」

ありすがツバキに聞くと、ツバキはニッコリと笑って答えた。

「ラビーが望んだこと」

そう言って、ありすの視線の先を見つめた。

大きな部屋の奥に、1つの大きな棺が立てかけてあった。
そして、その中には、死んだように眠っているラビーの姿が見えた。
棺の周りには、真っ赤なバラが咲き誇り、そして、まるでラビーに誰も近づけないようにと、その棺を護るようにと、とげをむき出しにした茎が棺の周りを固めていた。

「本当なら、あんなふうになっていたのは、ありす、あなただったんだけどね」

「え…?」

ツバキにいわれて、ありすはツバキのほうを見た。

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