【K.A】Alice in a BoX
「昔、あなたはずっと地中深くに埋められていたらしいわ。そして、あなたの埋められている場所には、誰も近づいてはいけないと、そう、言われていたの。だけどある日、その言いつけを破り、あなたの埋められている場所へと行き、そして、あなたを掘り起こした人がいたそうよ。そして、あなたが掘り起こされたと同時に、世界中に災厄が溢れ、世界が滅んだ」

「…え」

ツバキの言葉の意味が全く分からず、ありすは目を丸くした。

「ちょっと、それってなんか話が飛躍しているというか…何かと間違えてない?」

第一、自分自身にそんな大それた特殊能力のようなものが備わっているとも思えないし
ましてや、あまりにも現実離れしすぎていて、信じろといわれてもその言葉を信じる事がありすにはできそうになかった。

「まぁ、私も大おばあ様から聞いた話だから、本当にそういうことがあったのかは知らないけど」

ツバキが苦笑まじりに答えると、ありすは拍子抜けしたように溜息をついた。

「とにかく、そうやって大変なことがあったときにも、あなたは生き残った。それは、あなたがこの世界に残された、最後の希望だからって言い伝えだった」

ツバキはまた、まじめな顔に戻り話を続けた。

「そして、その言い伝えには続きがあってね?最後の希望を手にしたものには、永遠の幸せが続くって言われているの」

「はぁ??なんなのよ、それ」

ありすはしかめっ面でツバキを見つめる。と、ツバキは肩をすくめながら続けた。

「最後の希望であるあなたにはそういう言い伝えが残っていたんだけどね。あるとき、あなたを手に入れることが出来るかわからない、他の人の手に渡るかもしれない。そう思った人物が、それならいっそのこと、と、目覚めてあなたがすぐ死ぬようにと、魔法をかけたのよ」

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