【K.A】Alice in a BoX
ありすはグリフに、大人しく待っていてねと言い残し、少し先に見えるハートの女王の城へと駆け出した。


「まずはハートの女王から、除草剤を貰いなさい」


ツバキいわく、どんなものもたちまちに枯らすことのできる薬を、ハートの女王が持っていて、それがラビーの周りのバラをどうにかするのに必要なのだという。


…除草剤で枯らすのかな。
なんか原始的。


ちょっと可笑しく思えて、くすっと笑ったそのときだった。

「わわっ!」

ドンッと誰かとぶつかった。バランスを崩してこけかける。
が、予想外に、しりもちをつくことなく、自分の体はひょいっと誰かに引っ張られた。

「誰かと思えばありすじゃないですか。どうしたんです?こんなところで」

ぎゅっと抱きしめてきたのはリューだった。


そっか。リューはここの執事長だったっけ。


あぁ、と納得しつつ、リューに離れろと抵抗する。
が、リューの力が思ったより強くて、疲れたのと面倒くさいのとで、ありすはあっさりと抵抗するのをやめた。

「あのさ、リュー。ハートの女王に会えないかな?」

ありすが言った瞬間、リューの体が強張った。

「?どうかしたの?」

ありすが首を傾げて聞くと、リューはありすをぎゅっとまた、抱きしめてきた。


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