【K.A】Alice in a BoX
「では」
女王がパシッと手をたたいた瞬間だった。
一瞬、目の前がふっと真っ白になったかと思うと、次の瞬間、足元は巨大なチェスボードに変わり、真っ黒の馬や真っ黒な鎧を身にまとった人物たちが目の前に現れ、ありすの服も真っ黒なワンピースに変わっていた。ありすと女王は対峙するような形で、それぞれ椅子に座っていた。
いや。
椅子に座っているという表現は、少し間違っているかも知れない。
椅子に座っているのは確かだが、両腕をしっかりと椅子の肘置き部分に固定され、椅子から離れることができないようになっていた。
「こ…これって…」
ありすが顔をひくひくとさせていると、にんまりと女王は笑って答えた。
「見てのとおり、チェスじゃ」
「いや、チェスじゃって…」
自分の今おかれている状況を考えると、どう考えても思い至る先はただ1つ。
まさか、まさか。
いや、まさか……
顔面蒼白になっていると、けらけらと嬉しそうに女王は笑った。
「ふむ、そなたのその表情、悪くない。そそられるものがあるな」
女王の言葉に、ありすはぞっと背筋が凍った。
「さてと。では始めるとしよう」
そういうと、女王は自分の第一手を口にした。
「e4、ポーン」
すると、白い頭にたまねぎのようなものを載せた男の子が、すっと一歩前進してきた。
女王がパシッと手をたたいた瞬間だった。
一瞬、目の前がふっと真っ白になったかと思うと、次の瞬間、足元は巨大なチェスボードに変わり、真っ黒の馬や真っ黒な鎧を身にまとった人物たちが目の前に現れ、ありすの服も真っ黒なワンピースに変わっていた。ありすと女王は対峙するような形で、それぞれ椅子に座っていた。
いや。
椅子に座っているという表現は、少し間違っているかも知れない。
椅子に座っているのは確かだが、両腕をしっかりと椅子の肘置き部分に固定され、椅子から離れることができないようになっていた。
「こ…これって…」
ありすが顔をひくひくとさせていると、にんまりと女王は笑って答えた。
「見てのとおり、チェスじゃ」
「いや、チェスじゃって…」
自分の今おかれている状況を考えると、どう考えても思い至る先はただ1つ。
まさか、まさか。
いや、まさか……
顔面蒼白になっていると、けらけらと嬉しそうに女王は笑った。
「ふむ、そなたのその表情、悪くない。そそられるものがあるな」
女王の言葉に、ありすはぞっと背筋が凍った。
「さてと。では始めるとしよう」
そういうと、女王は自分の第一手を口にした。
「e4、ポーン」
すると、白い頭にたまねぎのようなものを載せた男の子が、すっと一歩前進してきた。