【K.A】Alice in a BoX
「馬鹿ウサギ、とっとと目を覚ましなさいよ」

ラビーの口に紅茶の小瓶の口をつける。
そしてそのまま、中身を一気に流し込んだ。

「…こんなことされたって、私、全然嬉しくなんかないんだから」

そう、言い終わったときだった。

「僕は君がまた眠りについた世界なんて、いりません」

「…!ラビー!」

まだ肌は青白い状態なのだが、白いうさぎ耳をぴこぴこさせながら、ラビーは目を開けて、ありすに言った。

「なぜ、あなたがここにいるんです?」

そういいながらも、優しい目で、ありすの頭を撫でた。

「なぜじゃないわよ、馬鹿!」

思わず涙をこぼすありすに、ラビーは優しく、まぶたにキスをした。

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