死んだ魚
賢二はふと、あの子に気持ちを伝えようと思った。
一方的ではあるが、あの子にあって、賢二の気持ちと、暗い海を毎日明るくしてくれた、あの子にお礼とお別れを言おうと思った。

暗い海を少しだけ泳ごうと思った。

あの子の勤め先の方に、住所を聞き。仕事が終わるとスーツに着替えた。もともと営業をしていた訳でもなく、久々に背広に手を通した。

妻には適当に話して家をでた。

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