死んだ魚

「今日はありがとうございます。妹は一番あなたに会いたかったと思います。妹は人見知りで中々人の話をしません。最近毎日車ですれ違う時に手を振る人がいて、自分はそれが毎日の楽しみなんだって言ってす。妹はあなたの事が好きだったんでしょう」


お姉さんは涙ながらに話してくれた。賢二も涙が溢れていた。
賢二の楽しみは、あの子の楽しみだった。
嬉しかった、また余計に会いたくなり、また涙が溢れた。

それから、お姉さんもお母さんも涙ながらにありがとうと言ってくれた。また来る約束をして、賢二は外に出た。