死んだ魚
妻は人の悪口を言う。言いたい事も言う。


うんざりだと何度も思った。

だからといって、賢二は何も言わずに聴くだけだった。

ほとんどの人が、こんな感じなんだろう、ただただ結婚したことを、後悔していた。


布団に入ると賢二は、あの子のことを考えた。
もっと話がしたいと思った。挨拶だけでも十分だったが、やっぱり話たかった。

目を閉じ、はにかんだあの笑顔を思い出すと、自然と心が穏やかになり。いつの間にか朝になった。

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