死んだ魚
あの子は会えなくなった、あの日に無くなっていた。

少しは考えていた、人間の自己防衛機能、最悪の事態を少しでも考え、結果が出た時のショックを減らす。

本当にこんな事があるのだろうか・・・


また会えるだろうと思っていた、恋人がいても、家族が出来ても賢二との関係は挨拶程度。
それ以上を期待した事もあるが、賢二には出来なかっただろう。
期待も何も手を振っていたあの子は、もうこの世界にはいないのだ。


賢二はふと、暗い海に投げ出された、死んだ魚はどこにも泳げずプカプカと浮きそのうちに暗い暗い海に沈んでいく様子をイメージした。
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