YOSHIWARA
雪だ。


11月の雪だ。


ちらりほらりと。

寒さで三味の皮が割れないようあたしたちは格子から遠のいた。


あたしはいちばん後ろにそっと控えて花魁の届け物の風呂敷を開いた。


豪華な刺繍の綿入れだ。


だが大き過ぎる。



これは?
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