もしも未来を想えたら
「いや、離してっ、嫌だ・・・離して」
 「だめよ、中西さん、かおりちゃん・・・ねえ」



 いやだ・・・
 痛い・・・
 どうして?
 こんなに押さえつけられるなんて・・・予定外なんですよ、ねえ・・・
 阿藤先生?


 「あの・・・・」
 部屋の外から声がした。
 だれ・・・?
 お兄ちゃん?


 この時のかおりは案外冷静だった。
 でも、声の主はわからない。

  応対は阿藤先生がした。
 「だれ?かおりちゃんのお友達?」
 「いや、別にそうじゃないけど、健悟は今ちょっと無理だから、その変わりです」

 「で、あなた3年何組の誰君?」
 「俺?」
 「そうよ」


 「さあね」
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