UP TO YOU!!
「麻美、泊まってって平気なの?」
「え、てゆーか今日、あたしが勝手に来ただから・・」
「京太、もう言っちゃったと思うし、お袋も気にしないから別にいいよ」
「・・なんか、ごめんね」
「でも、最近予備校でしか会ってなかったから、嬉しいよ」
「え?」
「ここ1ヶ月くらい遊び連れていけてなかったじゃん、ごめんね。」
立ち上がって、着ていたパーカーをスウェットに着替えた。
立ったついでに棚の上のコンポをつけてCDを選ぶ。
何を聞こうか。
ビートルズを右手に、自分の気に入った曲を集めて作ったCDを左手に持って、見比べる。
「麻美、何聞きたい?
あ、トラジャムは俺もう聞きたくないから」
そう言って振り返ると、麻美は目に涙をためていた。
いっぱいになった涙は、堪らずこぼれて、素早く頬を伝う。
それを合図に麻美は下を向いてヒックヒックと喉を鳴らした。