UP TO YOU!!


「・・ごめっ・・・」


「なんで泣くの」


「・・っ・・・」


CDをコンポの上に置き、垂れた長い髪を耳に掛けてやる。
顔を上げさせようとするが、麻美はボロボロと涙を流すばかりだ。


「麻美」

「ごめん・・、ごめんね陽平。」


ピンク色の湿った頬に、張り付く髪の毛。
俺は、その髪をまた耳に掛ける。


「なにが」

「あたし・・心配なの。
・・・陽平が、好きでっ・・・・ごめん」


親指で頬をなぞり、涙を拭うが、キリが無い。

麻美が言いたいことは、痛いほど分かった。
だけど、答えられない。

だから、分からないふりをするしかない。
今までずっとそうしてきたから。

謝らなきゃいけないのは、俺なのに。

顔をあげた麻美に、唇を押し付ける。

そのまま、麻美の小さな身体を力いっぱいに抱きしめ、もう1度唇を合わせた。
何度も、何度も。


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